『青の炎』舞台挨拶  2003.3.15  みゆき座にて
 

はなした内容については 東宝 のサイトにそれなりに正確にアップされているので、私のレポはそれを補足する形で。

まず、みゆき座の座席。簡単にいうと、アルファベットはブロックで、その中の○番。前のほうがA〜C,真ん中にプレミアシートがあり、プレミアシートの左ブロックがD,後ろがE,右がF。私はFのわりと前のほうで一番右端。私の直前にチケットを買ったお嬢ちゃんはDブロックで数字が大きかったから、私よりも後ろになったと思うが、ニノが通った通路に近くて、それなりにラッキーだったんじゃないかしら。

「模倣犯」の時と違うのは、まず、若い子が多い。でも、私くらいやもっと上の人もいて、中、高校生のお母さんという感じの組み合わせもあるが、妙齢の女性のグループもそれなりに。取りにくいチケットを取る人って、結局、年齢が上がるんだろうな。なぜか男性二人組などもいた。そして、通路にも警備員がいる。始まる前は、若い子が多いからかなと思ったのだが、要は、後ろから登場して通路をずっと通るニノをガードするために、通り道に警備員がいたというわけ。

みゆき座のスクリーンは比較的大きいが、ちょっと奥のほうにあるので、縦長のみゆき座では、プレミアシートのあたりがやはり見やすそうだ。(マリオンはスクリーンが大きすぎるので私はいつも最後列。)

定刻8時(!)に予告なしで上映開始。場内のざわつきはなかなか収まらないうえに、遅れてくる人もいる。その上、頭にきたのは、途中で出入りする人がいる!おじさんの時間つぶしじゃあるまいし、なぜ、第1回の上映の途中で出入りするか!!出入りがあると、表にいるマスコミのざわつきが聞こえてきて、それもかなり気になった。

原作を読んだ上での二回目の鑑賞は、改めて完成度の高さと密度の濃さを感じながら、映画のストーリーは哀しいけれど、いい映画をみたなあという満足感もあり、クレジットをみながら余韻に浸りたい、という気分だった。が、が、が、終わったとたん、周囲は一斉にざわざわ。なんなんだ!おまえら!!ニノの映画だぞ!余韻にひたらんかいっ!!!この後、ニノが出てくるから、さすがに帰る人はいないけど、その分、ほんとうにうるさくて、映画館であんなにうるさくて辛い思いをしたのは久しぶりだった。彼女たちを黙らせられる映画じゃなかったのかなあ、なんて思いながら、それでもクレジットを眺めていた私。そんな状態なのにクレジットが終わると大きな拍手。これまたびっくりだ。心得てるというかなんというか・・・・。あんなにざわついていても拍手はするんだ。へえ。という感じ。

そしていよいよ舞台挨拶。その前に、マスコミのセッティング。舞台に向かって左側に一斉にテレビカメラが並ぶ。その数7台。各社1台という感じか。他にデジタルカメラが1台。スチールのカメラマンは最前列。マスコミのセッティングが終わると、ステージに司会者が登場。自己紹介していたが聞き取れなかった。この司会者が最悪で、映画の雰囲気にまったくそぐわない妙なハイテンション。その上、質問の仕方も下手だった。おかげで、ニノは聞いてなかったわけだが(笑)。

司会者に紹介されて、蜷川監督と貴志さんが右側のドアから入ってきて、ステージに上がる。まあ、近いわ。ニノもそこから入ってきたらよく見えるわ、とわくわくする私。

そして司会者が「いよいよ、みなさん、お待ちかね、二宮和也さんの登場です!」というと、ピンクフロイドの曲にが流れ、後ろの左側のドアからニノが入ってきた!!!びっくり!!映画館の通路なんて狭いから、警備員が押さえていようと、もう、みんなさわりまくり。隣の人が立っちゃって見えにくくなってしまったのだが、私も、一番端で、誰の視界もじゃましないと判断して、ちょっと立ってしまったのであった。その姿がワイドショーのカメラに映ってしまったのであった。でも、ほんと、小さいので、他人が見てもわからないけど。ニノは、もみくちゃにされながら、プレミアシートの前の通路を右端までやってきて、蜷川と同じように階段を上がった。後ろ姿だったけど近くてドキドキ。

しばらくは「にの〜〜〜」という声が収まらない。ここらへん、やっぱり若い子が多いってことかな。ようやく落ち着いたところで、司会者にうがなされて、まずはニノから。

ニノ「映画を見終わったということで、みなさん、どうでしたか?」

会場から「よかった〜」などの声に混じって「かっこよかった〜!」って声も聞こえて、ちょっとびっくりした私。そっか、「かわいい〜〜」じゃないのね。「かっこいい」なのね。

ニノ、この声援に照れながら頭を下げて「ありがとうございます。今回、みなさん、朝早くから来ていただいて、そして、何日も前から並んでいただいた方もいるそうで、本当にありがとうございます。(東宝の方には「何日も前から」とは書いてないけど、確かにそんなことを言っていたと思う。)ぜひ、この勢いで最後まで突っ走りたいと思いますので、みなさん、応援、よろしくお願いします。
会場、大きな拍手〜〜〜。この間、貴志さんはちょっと緊張した感じだったが、蜷川は、とにかくニノを見てニコニコしていた。

司会「これだけたくさんの人に・・・どんな気持ちですか?」
ニノ「日本で1番早く映画を観終えたみなさんと・・・とても嬉しいです。」

司会「蜷川監督の21年ぶりの作品ということですが、この作品はどんな作品になりましたか?二宮さん?」
ニノ「え?僕ですか?蜷川さんじゃないんですか。聞いてなかった。すいません。もう一度、お願いします」

はははは。会場、大爆笑。この質問のフリは、私も蜷川に聞くのかと思ったよ。蜷川本人も自分かと思ってスタンバイしてたくらい。

司会「ではもう一度。さっきのはナシということで。蜷川監督の21年ぶりの作品ということですが、二宮さんにとってこの作品はどんな作品になりましたか?」
ニノ「親にも自慢できるし・・・・自分の基本を作ってくれた映画だと思います。」

司会「スクリーンにはどんな二宮さんが表現されていると思いますか?」

質問の仕方だけじゃなくて、中身もよくないぞ、この司会者。「ニノじゃなくて秀一だよ!」と思った私。

ニノ「二宮和也というよりは、“櫛森秀一”が表現されていると思います。また、そう思いたいです。」

でしょでしょ。ニノならそういうと思ったわ。

ここでニノはいったん終わりだが、「にの〜〜」コールがなかなかやまない中、続いて、原作の貴志さんに。

司会「それでは、原作を書かれた貴志先生、ご挨拶をお願いします」
貴志「すごく話しづらいですね(笑)」

たしかに。「ニノ〜」コールの中じゃ話しにくいよなあ。

貴志「600から700枚ある小説を・・・・。原作者としても感無量です。」

今回の映画化について、私が思ったこととまったく同じことを貴志さんが言ってくれたので本当に嬉しかったなあ。泣きそうになってしまった。

司会「貴志先生にとって、この『青の炎』はどういった作品になりましたか?
貴志「舞台となった鎌倉に取材に行って、・・・・・何度も観かえしたいと思います。」

会場、大きな拍手。原作者がここまで納得できる映画って、そうないよなあ。

司会「それでは、いよいよ、今回、21年ぶりにメガホンをとられた蜷川幸雄監督です。」
蜷川「今朝は心配で心配で、朝の8時から劇場前の歩道でどのようなお客さんたちが観に来てくれるのかウロウロしながら待っていました(笑)。」

会場「え〜〜?」という声。

蜷川「ほんとだよ〜(笑)」
会場、拍手と笑い。
蜷川「ここにいるのが本当に夢のようです。ただ、二宮君の登場の時だけテーマ曲が流れていたのが不愉快でした。僕もテーマ曲にのって登場したかった(笑)。」

これにはニノも貴志さんも大笑い。もちろん、会場も大ウケ。

蜷川「皆さん、本当に観に来ていただいてありがとうございます。」
司会「二宮さんとお仕事をした感想はいかがでしたか?」
蜷川「まず、とても楽しかったです。そして才能ある人間と仕事をするといかに演出が楽かということを感じました。・・・現場ではニノ&ニナと呼ばれていました(笑)。」

「ニノ&ニナ」ですって!また、嬉しそうに言うんだよなあ。もちろん、ニノも大笑い。

蜷川「若い世代と仕事をして私自身再生した……そういった気持ちです。」

会場は大きな拍手。私自身は「再生した」という蜷川の言葉に鳥肌が立った。「青の炎」、ニノとの仕事は、蜷川自身をさらに次の段階に進ませるのかもしれない。

司会「残念ですが、そろそろ時間となってしまいました。最後にもう一度、二宮さんからメッセージをお願いします。」
ニノ「今回の舞台挨拶が1番面白かったのではないかと思います。皆さんには決して漫才を観に来たわけでなく、素晴らしい映画を観に来たんだということを分かってもらえればと思います(笑)。」

はははは。「一番おもしろかった」(by ニノ)舞台挨拶をみられたなんてラッキー!

ニノ「そして、今度は皆さんのご両親に、劇場に足を運ぶように伝えてくれればと思います。」

会場「もうきてるよ〜〜」などの声。親と一緒に来ている子も多かったからね。親がファンって人も多かろうね。

ニノ「きっとみなさんの中には・・・ぜひ、また観てください。ほんとうにありがとうございました。」

会場「みるよ〜〜」「にの〜〜」「にの〜〜〜」

「にの」コール、おさまらない中、3人は右端まできて、階段をおりたのだが、いったいどういう順番だったか、さっぱり覚えていない。ニノしかみていなかったから。ニノは最後だったのかなあ。だって、顔が見えるんだよ。ツルツルの顔が。手をふる会場に応えて、ニノも手を振ってくれた。あんまりかわいくて泣きそうになった。少しは理性も働いていたので、このときはちゃんと座ってました。椅子の段差があるから、ちゃんと見えるんだもん。目が合ったとまではいかないけど、一帯を見てくれたので満足。

以下、蛇足。

かわいいニノの余韻に浸りながら映画館を出たら雨が降っていてびっくり。パンフ買ったのに、いれるもの持ってこなかったし。朝ご飯食べてないから、しかたなく、もとはマックがあった場所にあるファーストキッチンに。予想通り、お仲間が多い。でも、SMAPと違っていろんな人がいる。となりはめちゃくちゃ、なまった若い子二人。

女の子A「写真集、立ち読みしたらほしくなったけど買わない。」

私(ええ?舞台挨拶までくる位なのに買わないのか?)

女の子B「なんで?」
女の子A「お金ないもん」
女の子B「そうだよね。次、いつ、東京くる?」

私(このイントネーションは茨城か栃木だよな)

女の子A「春休みは無理。バイトしてGWか夏休み」
女の子B「あたしもそんな感じかなあ」

あああ。ニノに会いに、なけなしのお金をつかってわざわざ東京に来たのねえ。かわいい〜〜。

女の子A「あのさ、SMAPの『世界でひとつ』なんとか花とかいう歌あるじゃん」
女の子B「なんだっけ『世界でひとつの花』?」
女の子A「よくわかんないけど、その歌のときにSMAPのライブの映像ながれるじゃん。あれ見てたら、SMAPのコンサートすごくいきたくなった」
女の子B「あたしも〜〜〜!SMAP、いってみたいねえ」

ああ、こうやってライブ映像は効果を果たすのね。
 

その子たちが帰った後、その奥の二人連れに注目した私。自分が若作りしているせいか私よりも年上にみえた。

女性A「なんかさあ、親と来てるって子もいたけどさ、意外と、年、いってたよね」
女性B「結局さ、私たちもそうだけど、徹夜して並ぶってのは若い子にはできないからさ。並んでるときも若い子はいなかったじゃん。」

私(ええ?あんたたち、並んだの?並ばなくてもぴあで買えたのに。並んだのは若い子じゃなかったのか。未成年は並べなかったのか?)

意外な事実を知ったな。今回、指定席にして「ぴあ」で売ったのは、並ばれるのがイヤだったからだと思うのだがねえ。

発売10分前にぴあ行ったにしては、かなり楽しめた舞台挨拶。ニノはかわいかったし、蜷川はご機嫌だったし、貴志さんは「感無量」って言ってたし、いけてよかったなあ。

次はいついくことになるのか。「2046」が秋に公開ってほんとかよ。
 


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