SMAP CHANNEL 2002

以下のレポは、2002の夏、沖縄往復のANA機内で、SMAP CHANNELをMDに録音したものを、私が文字に起こしたものです。
トータルで1時間くらいの番組ですが、離着陸時はMDは使えないし、その他、機内アナウンスが入るので、沖縄往復を録音して、なんとか全部を聞くことができたという感じです。
お読みいただく方におもしろさが少しでも伝わることを祈っています。


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CM「空 is sky , 海 is Sea , 俺たち we, 女子たち Gal,お前のハートは your Heart, We are in OKINAWA, wooh!
    波is wave, 魚 is Fish, お尻はHip, 暑いぜHOT, This is ビーチク, This is Beach, We are in OKINAWA, wooh!」

中居「というCMでおなじみのSMAPの中居です。ただ今より、ANA機内でのみお楽しみいただけるSMAAAAP CHANELをおおくりいたします。しばらくの間、おつきあいください。

女 「おつきあいって、まだ、私たち、知り合ったばっかりなのに・・・・」
中居「知り合ってからの時間なんて関係ないよ」
女 でも・・・」
中居「デモなんてしない。君に対する不満なんてこれっぽっちもないんだから」
女 B「それは逆に、私のこと、あんまりよく知らないから」
中居「よく知ってつきあうより、あまり知らずにつきあって、二人で不満を解決するほうがいいのさ」
女 「中居さん・・・・」
中居「だからさ、つきあっ・・う・ううん・・・月明かりの下で本を読むと目が悪くなる」
女 「はっ?」
ウェイトレス「コーヒーお持ちしました」
中居「夜、コーヒーを飲むと眠れなくなる。つきあおうよ。」
女 「夜、コーヒーをのむと?」
中居「ああ、違うっ。君のことを考えると夜も眠れないって言ったんだよ」
女 「さっき、知り合ったばっかりで、夜はまだ一回もきてないけど」
中居「夜もっていったじゃん。つまり、昼間も。だから、今も眠れない」
女 「今、寝られても困るけど。でも、中居さんがほんとに私のこと好きなのかどうか、わかんないし」
中居「俺はすき・・・んん・・・スキがあったらかかってこいっ」
女 「はっ?」
ウェイトレス「こちら、カフェオレになりまーす」
中居「カフェオレ、こっち、こっち、うん。カフェ、オレ。カフェ、俺、なんっちゃって。くっくっくっ。好きに決まってるじゃん。」
女 「うっそぉ。だって、さっきからお店の人が来ると、恥ずかしがってごまかしてるもん。」
中居「ごまかしてなんてないよ」
女 「じゃあ、『スキがあったらかかってこい』ってなあに?」
中居「ん、恋はいつでも真剣勝負、ってことだ」
女 「いいよ、もう。」
中居「いや、ほんとに好きなんだって」
女 「んー、じゃ、私のどこが好き?」
中居「好きになるのに・・」
女、くしゃみをする
中居「理由なんていらないのさ」
女 「ごめん、ごめん、なんだって?
中居「2回も言うのやだよ」
女 「私のこと、好きじゃないんだ?」
中居「好きだよ、だよ、だよ〜〜〜ん、ダヨ〜〜ンおじさん。ダ、ヨーンおじさん、ね。へへ。」
女 「また、人が通ったらごまかした。」
中居「違うって。ダヨーンおじさんと同じくらい好きって意味だよ」
女 「うれしくな〜い」
中居「ほんと?へえ、そういう人もいるんだ?」
女 「そういう人ばっかりだよ。ねえ、好きなんだったら、もう一回言ってよ」
中居「えっ?んー。じゃあ、言うよ。(咳払い)好きになるのに理由なんかいらないのさ」
女 「2回目だと感激うすいね」
中居「なんだ、聞こえてたんじゃねえかよ」
女 「じゃあね、どれくらい好き?」
中居「そりゃあもう、すっごい、すっごい好きだよ。」
女 「どのくらい?」
中居「うーん、このくらい」
女 「ふーん、そんな両手でひろげたくらいだけなんだ」
中居「違う、違う。今、両手で表そうとしたのは、こっからずーっとずーっとずーっとずーっとずーっと」

(ドアベルの音)
ウェイトレス「ありがとうございました」

中居(声がだんだん小さくなる)「ずーっとずーっとずーっとずーっと」
おじさん「おうっ、いてえな、おいっ、わざとぶつかってきたろ、おい、にいちゃん。ちょっと事務所まで来てもらう」
中居「えっ」
(車のドアがしまり、車が発進する音。)
女 「中居さん・・・・」
 

女 「中居さん、いるの?」
おじさん「おお、なんだおめえ」
(殴られる音。)
中居「きてくれたんだ?ありがとう?」
女 「ここまでなの?」
中居「え?」
女 「ずーっとずーっとの続き」
中居「あーいやー、えー、そ、そう、そうなの。あの店から、こんなとこまで」
女 「そんなもんなんだ」
中居「うっそ〜」

(飛行機の音)
中居「そして僕はずーっとずーっとの先を示すためにこうして彼女と飛行機に乗っています。長距離移動はANAで。」
 

(飛行機の音)

剛 「あ、飛行機だ。どこまで行く飛行機なんだろうね、木村君」
木村「空港じゃない?」
剛 「・・・・曲、いこっか・・・・」

『セロリ』

空港の雑踏。
マネージャー「じゃ、私、かわりにチェックインしておきますから」
慎吾「な、どうもありがとう」
マ  「そのかわり、おみやげお願いしますよ」
慎吾「わかってるって。俺、ちょっと展望台行って、飛行機見てくる」

展望台。飛行機の利発着の音。

慎吾「うわぁ、すげ〜。さすが空港。飛行機がいっぱい並んでるよ。な?あれ、剛くんだ。なに、やってるんだ。滑走路で手え広げてあんなお尻プリっとかさせちゃって」
男 「おくわしいですね」
慎吾「は?」
男 「あの飛行機をご存知とは」
慎吾「飛行機って、あれ、剛くん」
男 「剛747。全日空の飛行機の中でも一番小さいタイプです。」
慎吾「いや、でも、剛君は人間ですよ」
男 「あはははは。よっぽどあの飛行機に愛着があるようですな」
慎吾「いや、愛着っていうか。」
男 「たしかに見ようによっては、人間に見えなくもない」
慎吾「見えなくもない、ってそんなにひどい、剛くんの見た目?」
男 「おっと、いけない。そろそろ出発の時間なので。じゃ」
慎吾「ええ、はい・・・まだ、あんなとこで手広げたまんまだよ、剛くん。おーい、剛くーん」

空港内。
慎吾「びっくりしたよ。剛くんがさぁ」
マ 「なんで知ってんですか?香取さんが乗る飛行機のこと。」
慎吾「うそ?俺、乗るの、あの剛747とかいう」
マ 「さ、もう、登場時間ですよ。行きましょう」
慎吾「いやだよ。あんなのにのるの。」
マ 「なに、そんなに嫌がってるんですか?
慎吾「当たり前だよ。だいたい、剛くんが空飛べるとは思わないし、だいたい想像してみてよ。俺とスーツケースかついで、剛くんが滑走路走ってる姿を。」
マ 「・・・それが何か?」
慎吾「飛べるわけないじゃん」
マ「大丈夫ですって。ANAですもん」

女N そうANAなら安心して空の旅をお楽しみいただけます。長距離移動はANAで。
 

飛行機の音

友人「あ、ほら、あの飛行機じゃない?」
吾郎「あ・・・」
友人「元気出せよ、吾郎。」
吾郎「どっから?」
友人「どこって・・俺は医学的なこととかはよくわかんないよ。」
吾郎「元気はどっから出せばいいんだろう?」
友人「耳から出したりなんかして・・」
吾郎「はっはっはっ。」
友人「そうそう、笑って、笑って」
吾郎「あーあ、変な顔」
友人「ほっとけ!顔で笑ってたのかよぉ。まあ、いいや、元気でたんなら。なんか、食べるか?元気だたんならお腹すいたろう?」
吾郎「いや、俺、吾郎だけど」
友人「知ってるよ!知ってるよ!だからって、『お腹すいごろう』とかって言わねえだろっ」
吾郎「はははははははは」
友人「は、おかしいだろう。『お腹すいごろう』だなんてさ」
吾郎「変な顔」
友人「いいよ、もう、顔は」
吾郎「でも、飛行機ってなんで飛ぶんだろうね?」
友人「いやあ、俺、航空力学的なことのよくわかんないけど。」
吾郎「きっと大きいから飛ぶんだろうな」
友人「ああ、なるほどねえ。なんか、素人的には小さいほうが飛ぶような気がするけど、あ、あれか?浮力とかの関係で実は大きいほうが・・」
吾郎「いやいや、大きいから走ると邪魔になるじゃん。」
友人「えっ?」
吾郎「だから飛ぶんだろうね。」
友人「・・・あ〜、そういう・・・そういう『なんで』だったのね。さっきのなんでは」
吾郎「なんで?そうだ、カレー食べよう。でもね、僕はライスで」

(カラーンコローンとドアベルの音)
ウェイトレス「いらっしゃいませ。お二人様ですか?
吾郎「はい」
ウェイトレス「こちらへどうぞ」
友人「えーっと、どれにしようかな」
吾郎「いろいろあるねぇ」
友人「けっこう、本格的だよ、ここ」
吾郎「うん」
友人「どうしよう。タンドリーチキンとかいうくらいだから、やっぱりチキンが本場っぽいのかなぁ。でも、マトンとか、普段家では食べないからここでっていう考え方もあるよな。」
吾郎「やっぱりねえ、チキンだと思うよ」
友人「そう?」
吾郎「俺はそうする」
友人「俺もそうしよっと」
ウェイトレス「お決まりですか?」
友人「チキンカレー」
吾郎「親子丼」
友人「ないよ、そんなの」
ウェトレス「かしこまりました」
友人「あるのかよ?」
ウェトレス「ライスかナンがつきますが?」
吾郎「僕はライスで?」
友人「そりゃあそうだろう。親子丼だもん」
ウェトレス「そちらさまは?」
友人「じゃあ、僕はナンで」
吾郎「大きいから跳ぶんじゃないのかなあ?」
友人「はぁ?」
吾郎「いやいやいや、『なんで』って」
友人「違うよ、もういいんだよ、飛行機の話は。その『なんで』じゃないんだよ」
ウェトレス「では、ライスとそちらさまはナンで」
吾郎「たぶん大きいからだと」
友人「もう、いいって。あの、すいません。以上で」
ウェイトレス「かしこまりました」
友人「余計なことは言わなくていいんだよ。」
吾郎「それは違う。」
友人「なんだよ、急に真面目な顔して」
吾郎「そっちこそさっきからおもしろい顔して」
友人「うるせえよ、顔のことはほっとけよ」
吾郎「よけいなことがあるから世界が楽しいんじゃないのかなぁ。きれいな絵や感動的な映画や心に響く音楽や、それから友だちとの遊びのこととか、おもしろおかしいことだって、そういったよけいなことが心を豊かにしてくれるんじゃないのかなあ。」
友人「まあ、それはそうだけど」
吾郎「だから、ある意味、そのおもしろい顔だって心を豊かに」
友人「うるさいって。なんだよ、それが言いたかったのかよ」
吾郎「いや、僕たちがいつも歌を歌うときに思ってることを言いたかったんだ。この曲がみんなの心を少しでも揺さぶることができたらいいなって。」
友人「この曲?」
吾郎「SMAPで『SHAKE』」
友人「カレーは?」

『SHAKE』
 

ラジオ女性DJ「はい、SMAPで『SHAKE』をお聞きいただきました。木村さんは、この曲に何か思い出とかエピソードとかありますか?」
木村「いや、べつに」
DJ 「あ、そうですか・・・いや、簡単に終わっちゃいましたね。ははは・・」
木村「あるんですか?あなたはこの曲に思い出とかあるんですか?」
DJ 「いや、べ、べ、べつに・・・」
木村「あるんでしょ?」
DJ 「え、え、あ、あ、そうだ。このころ、なんか、スーパーで大根が・・・」
木村「ずばり・・当てましょう。この曲が流行った頃、彼氏と別れましたね。」
DJ 「えっ、どうしてそれを?」
木村「人の人生はすべてその人の鼻の穴に反映されるんです。」
DJ 「うそぉ・・・」
木村「ほら、手で隠さない。さ、みして」
DJ 「こうですか?」
木村「いやいやいや、そんな指で広げなくても」
(ビッって音)
木村「いや、そんな、セロハンテープで止めなくていいですって。やめなさいっ、割り箸つっこむのは!!ドジョウすくいじゃあるまいし。そうそうそう、そうやって普通にしてればいいんです」
DJ 「はい」
木村「うーん、あなたのほうが彼にふられましたね」
DJ 「わかりますか?」
木村「わかりますよ。今の行動見てれば。」
DJ 「ひどーい」
木村「いや、もちろん鼻の穴にもそれが出てます。ふーん。あーなるほど。」
DJ 「なんですか?」
木村「風邪引いてる?」
DJ 「当たった・・ってそれって占いじゃないじゃん」
木村「風邪を引いたのも大きく言えば人生の一部」
DJ 「ま、それはそうだけど」
木村「彼氏とはよくボーリングに行きましたね。」
DJ 「当たってる」
木村「あなたは、ボーリングの玉をその鼻の穴に入れたでしょ。」
DJ 「そんなことまでわかるんですか?」
木村「さっき、鼻の穴を手で広げたとき、ちょうどそれくらいの大きさだったから」
DJ 「また、見た目じゃん」
木村「でも、11号までは入ったけど、12号は無理だった。」
DJ 「そうせそれも見た目でしょ」
木村「そうです」
DJ 「ふん。やっぱり。・・・・・それはそれですごいや」
木村「まだ、その彼氏のことが忘れられませんね・・・・じゃあ、忘れさせてあげます」
DJ 「つきあってくれるの?」
木村「やだよ」
DJ 「そうよね。そんな鼻の穴の小さい女・・」
木村「小さいとかじゃなくて」
DJ 「どうしたら忘れられるの?」
木村「旅行でも行けば」
DJ 「すっごい普通」

女性N 旅行に行くならANA。
 

(車のドアを閉める音)

運転手「どちらまで?」
剛 「羽田空港までお願いします」

車の音

運転手「お客さん、ご旅行ですか?
剛 「そうなんですよ」
運転手「へえ、いいですね。あ、降ってきた。」

ワイパーの音

剛 「なんか、暗くなってきましたね」

幽霊が出るような効果音。

剛 「ねえ、運転手さん。」
運転手「このまま行くと墓地があるんですよ」
剛 「えっ」
運転手「ちょうど、今日と同じような雨の降る日でした。」
剛 「もしかして・・」
運転手「ええ、髪のながーい女の人が立ってましたね。」
剛 「乗せたんですか?」
運転手「乗せました。それで、結婚しました」
剛 「はっ?」
運転手「思いのほか、話がはずみましてね。」
剛 「結婚って。運転手さんと?」
運転手「そうですよ。今、ほら、あの駅前の弁当屋で働いている・・」
剛 「そんなのは聞いてません」
運転手「その時のことを思い出すんですよね。」
剛 「ふーん、なんだ。なんか、怖い目にでもあったのかと思いました」
運転手「怖い目にもあいました」
剛 「やっぱり」
運転手「浮気がばれたときは、あれは怖かった」
剛 「はあ、なんだよ。また、奥さんの話かよ。じゃ、別に、幽霊に出会ったとかそういうわけでは・・・う〜〜〜・・・・運転手さん、出ましたよ!!!あそこ!ほら!白い着物が、人が、立ってる・・・」
運転手「は?」
剛 「ちょっと、速く!!速く通り過ぎて!速く!ちょっと、運転手さん、何、スピードゆるめてんの?運転手さん!!おいっ、窓とかあけんなよっ!!」
運転手「おーい、俺、これから羽田までお客さん乗っけてくから。うん、じゃあな〜。・・・・あれ、うちの女房なんですよ。」
剛 「ええ?」
運転手「弁当屋のパート5時までじゃないですか」
剛 「知らないですよ」
運転手「ちょうど今ぐらいは、このへん、歩いてるんですよ」
剛 「いつもあんな白い着物なんですか?」
運転手「だって、ほら、弁当屋だから。清潔なイメージって大事でしょう」
剛 「だからって着物は・・・」

謎の声「うらめしや〜〜〜」

剛 「うわあああああああ・・・」
運転手「どうしたんですか?お客さん?」
剛 「出た!出ました!」
運転手「おふくろ、羽田まで行くからちょっと我慢しな」
剛 「お、おふくろ?」
運転手「ええ、すいませんねぇ。」
剛 「今、そこのお墓から・・・」
運転手「まさか」
剛 「でも、うらめしいって」
運転手「いえ、『うら、めし』って言ったんですよ」
剛 「は?」
運転手「ほら、わたし、下の名前『ウラキチ』じゃないですか?」
剛 「そんなこと知りません!!」
運転手「だから、『ウラ、メシはまだか?』って言ったんですよ」
剛 「でも、いつのまに?」
運転手「ずっと乗ってましたよ。気づきませんでした?」
剛 「気づきませんよぉ。っていうか、だいじょうなんですか?そんな、シートの下にいて」
運転手「大丈夫ですよ。そこが好きなんですよ」
剛 「好きって・・・」
運転手「ほら、猫とかって狭いところ好きでしょう。」
剛 「猫はそうかもしれませんけど・・」
運転手「だって、ほら、うちのお袋の名前、タマでしょう」
剛 「知りませんって、そんなこと!!・・・何なんだ、このタクシー。」

運転手「あのー、お客さん」
剛 「なんですか?」
運転手「この先、また墓地があるんですよ」
剛 「えっ、あ、どうせ、またそこで、誰かに出会ったとか、そういうこと言うんでしょ。もういいですよ、そんな運転手さんの個人的な話は。あ、わかった。こんどはパターン的にほんとに幽霊が出たんだ。いや、まてよ。俺が今そう言ったってことは、逆になるパターンだよ。また、なんか、変な話かな。この運転手さんの話だから、うーん、どうかなあ。あの、運転さん、やっぱり、聞いときます。」
運転手「そうですか?」
剛 「やっぱり、その、この先にまた墓地があるんですよね。」
運転手「ええ」
剛 「それで?」
運転手「それだけです」
剛 「え?」
運転手「墓地がありますよ。」
剛 「それだけ?」
運転手「ええ」
剛 「もう、なんだよ〜〜〜。いいですよ、そんな話。てっきり今度は怖い話だと思ったのに」
運転手「怖い話聞きたいですか?」
剛 「やっぱり、あるんですか?聞きたい。」
運転手「このタクシー、どこに向かってると思います?」

(幽霊の効果音)
 

剛 「そうだ、そういえば普通、こんなに墓地ばっかりのとこらなんて通らない!なんで?あれ?そうだ、これ、羽田に行く道じゃねえだろうっ」
運転手「うーん、その通り」
剛 「うわ〜〜、こえ〜〜〜。なに〜〜、え〜〜!!ちょっとどこにつれてくの、俺を!!」
運転手「羽田ですけど」
剛 「え、なに?」

ブレーキ音
運転手「道、迷っちゃいました」
剛 「え〜〜・・・・・」

女性N 空港へは余裕をもってお越しください。長距離移動はANAで。

道路の雑踏の音。

(遠くで)慎吾「ヘイ、タクシー!!」
男A「あ、あれ、香取慎吾じゃない?」
男B「ほんとだ」

慎吾「ヘイ、ヘイ、タクシー!」

男A「うわっ、俺、初めて見たよ。『ヘイ、タクシー』って言う人。やばくない?」
男B「それ以前に、全裸はやばいだろ」

慎吾「(くしゃみ)へいっタクシー おいっ」
 
 

剛 「もうすぐかな、空港。僕たち、今、どの変にいるんだろうね、木村君」
木村「タクシーの中」
剛 「曲、いこっか・・・」

『ダイナマイト』
 

空港の雑踏音。

女A「飛行機乗る前になんか食べてこっか」
女B「そうだね。あそこは?ああ〜」
女A「ビストロ・スマップ!!」
女B「ほんとにあったんだ!」
女A「ねえ、見て。中居君」
女B「ほんとだ〜」
女A「はいろ、はいろう」

(からからからーんとドアベルの音)。

中居「ようこそビストロ・スマップへ。」
女A 「あっ、ほんものだぁ」
中居「当ビストロにはいっさいメニューはございません。」
女A 「テレビと一緒」
中居「というか、食材もございません。」
女二人「ええ?」
中居「今日も売上ゼロだった。店の名前を変えようと思う。」

女A 「あれ、ここ、お店の名前、変わってる」
女B 「あ、ほんとだ。『ビストロ・ステップ』」
女A 「はいってみようか?」
女B 「うん」

カラコロカラーン(ドアのベルの音)。たったたったたったったっとステップの音。
中居「ようこそ『ビストロ・ステップ』へ」

女B 「かっこいい〜。中居君、踊りは上手だもんね。」
中居「『踊りは』っつった?」
女B 「あ、いえ、なんにも。あの、メニューは?」
中居「ありますよ、もちろん。」
女B 「食材も?」
中居「もちろん」
女A 「よかったぁ」
女B 「ねえ」
中居「少々お待ちください」

(たったたったたったったっとステップの音。)

女A 「ねえ、ステップ踏んで移動するお店なんだぁ?」
女B 「ん?ってことは・・・?」
中居「メニューとお水をお持ちしました〜〜(ステップをふみながら)」
女たち「うわぁあああ〜〜〜〜」グラスを落として割れる音。

中居「今日も売上ゼロだった。その上、コップも割ってしまった。」
 

女A 「また、名前変わったよ〜」
女B 「ほんとだ〜。」

(カラコロカラーンとドアベルの音)

女たち「うわっくさっ」
中居「ようこそ、『ビストロ・スカンク』へ」
女たち「ふぅううううううう」

バタンと倒れる音。

中居「今日も売上ゼロだった。っていうか、保健所がきて営業停止になった。落ち込んだ〜。落ち込んだときは、そうだ、歌を歌おう。(小さい声で)メンバーに邪魔になんない程度に。はぁ。」

『がんばりましょう』

 

(祭の囃子の音が聞こえる)

吾郎「(ハイテンションで)いや〜〜、歌はいいねえ。歌は世につれ、世は歌につれ。やつれた子連れが道連れで、外れて失礼、オヤジのヅラがってね。」
女B「あの〜、すみませんん。」
吾郎「いらっしゃい、おねえちゃんたち」
女B「あの、SMAPの稲垣さんですよねぇ。」
吾郎「ば、ば、ばれちゃった?」
女A「もしかして、今度の映画の役作りですか?」
吾郎「うん。そうなんだ。」
女B「『フーテンのライオンさん』ですよねぇ」
吾郎「そう。」
女A「大変ですねえ」
吾郎「いやあ、まあねぇ、こういう方面での役作りはそれほど大変じゃないんだけどね。」
女B「そうなんですかぁ?」
女A「どんなのが大変なんですか?」
吾郎「今回もちょっと、体重がね」
女A「あ〜、大変そう」
女B「かなり減量したんですかぁ?」
吾郎「うーん。ま、一応、こう見えても、僕もプロだからさ。」
女B「今、何キロあるんですか?」
吾郎「2キロ」
女A「すっご〜い。ペラペッラですもんねぇ。」
吾郎「なんとかね」
女B「でも、今回の映画は稲垣さんのためにあるような映画ですもんねぇ」
吾郎「そうだねえ。監督も元々僕をイメージして本書いたみたいだから」
女B「あ〜、やっぱりそうなんですか。そうじゃないかと思った。」
女A「だって題名が『男はツラよ』だもんね。」
女B「稲垣さん、ピッタリ〜」
稲垣「おいおい、あんまりそう言われると僕が顔だけで中身がないみたいじゃない?」
女B「そんなことないですよ。」
女A「そうですよ。体重を2キロまで落とすようなプロ意識を持った俳優なんて、稲垣さんの他にはいませんよ。」
女B「うんうん」
吾郎「ありがとう〜〜。でも、君たちに僕だってばれちゃったてことは、まだまだなんだなぁ。」
女A「でも、私たちも、もしかしてってぐらいしかわかんなかったし」
女B「ねえ。だってすっかり『フーテンのライオンさん』になりきってますよぉ」
吾郎「ま、ま、僕自身はライオンのつもりなんだけどね。」
女B「じゃあ、あたしたちも今度から『ライオンさん』って呼ばなきゃぁ」
吾郎「はっはっはっはっ。ぜひ、そうしてよ。ううっ。」

バタンと倒れる音

女A「どうしたんですか?稲垣さん?」
吾郎「僕はライオンだ」
女B「だいじょうぶですか?ライオンさん?」
女A「無理な減量がたたったんじゃ?」
吾郎「胸が・・・・」
女B「胸?心臓?」
女A「つまり、ハート?」
女たち「『らいおんハート?』あっはっはっはっ」
女A「うまい、うまい」
吾郎「きゅ、救急車・・・」
バタンと倒れる音。

『らいおんハート』
 

ラジオの女性DJ「SMAPで『らいおんハート』をお聞きいただきました。木村さんはこの曲に何か思い出とかエピソードなんてありますか?」
木村「や、べつに・・・」
女性DJ「そうですか」

ピピっとラジオのスイッチを切る音。

木村「ふぅ・・・・。」
男性N:成田に向かう高速道路は適度にすていた。木村拓哉は5年ぶりに帰国する友人を迎えに愛車を走らせていた。
木村「5年ぶりかぁ。ずいぶん、変わっちゃってんだろうなあ、あいつ」
N:5年前のある日、木村はその友人から日本を離れることを打ち明けられたのだった。

成田の雑踏の中
木村「ま、体だけには気をつけろよ」
友人「うん」

N:その友人が5年ぶりに日本に帰ってくるのだ。ね、木村君。

木村「うん。えっ、誰?」

N:助手席には日本を離れていた友人に聞かせようと、SMAPのアルバムが置いてあった。

木村「あいつ、これ聞いてなんて言うかなぁ」

N:音楽に対する感じ方で議論になったとき、ムキになって反論する友人の顔を思い浮かべて、木村は知らずしらず笑みがこぼれた。

木村「ふふっ」
N :すごくおかしくなってきた。
木村「はっはっはっはっはっはっ」
N :大笑いした。
木村「うわはっはっはっはっはっはっはっ」
N :貴婦人のように笑った。
木村「おっほっほっほっほっほっほっほっ」
N :貴婦人のように大笑いした。
木村「おほっほっほっほっほっほっほっ」
N :もっと
木村「おっほーーっほっほっほっほっ」
N :もっと
木村「うぉお〜〜ほ〜〜〜っほ〜〜っほっほっほっほっ、はっ〜〜っはっはっはっは、げほっ・・・何やってんだ、おれ?」
N :あいかわらず道はすいている。この分だと1時間は早く着けそうだ。木村は腕時計に目をやった。というより、じっと見つめた。
木村「・・・・あ、まだ・・・・・あ、まだ、見てるの?時計・・・おいっ、おいっ、こえ〜よ、ちょっと、前、みろよっ、前、みろ、俺!!」
N :ようやく木村が顔を上げるとそこは雪国だった。

(吹雪の音)

木村「さ、さみ〜〜。」
N :木村の操縦するスノーモービルは雪煙をあげて進んでいった。(スノーモービルの音)
木村「成田ってこんな雪国だっけ?」
N :あ、そうだ。成田にむかってるんだった。
木村「あ、もどった。なんだったんだ、今のは?」
N :隣の車線を行くリムジンバスから子供が笑っていた。
木村「あ、家族旅行か。あんな、楽しそうに。」
N :木村のスノーモービルを見て笑っていた。
木村「おい、そこはもどってねえのかよっ」(ぶ〜〜んとスノーモービルの音)
N :じゃあ、もどす。
木村「頼むよ〜」
(スノーモービルの音が止まる)
木村「えっ、誰、今の?」
N :そろそろ空港への出口が見えてきた。
木村「いよいよか・・・」
N :男ぶりを上げたであろう友人を迎えることへの期待に木村の胸は膨らんだ。
木村「ふぅんんんんん」
N :もはやその胸はDカップにまで膨らんでいた。
木村「おっ、なんだこれ?どうしたの、俺の胸?」
N :ちょっと触れてみた。
木村「(えっちっぽく)あっ・・・・・って、何やってんだ、おれはっ」

木N :村が胸躍らせるのも無理はないだろう。なんと言っても一日ぶりに会うのだ。
木村「どんなふうになってんのかなぁ〜、この一日間で。ずいぶん、変わっちゃって〜・・・何?一日ぃ?あんま、変わってねえか・・・あれ?なんで俺、昨日会ったヤツをわざわざ迎えに行くんだ?」

N :疑問に感じながらも木村の胸は期待に膨らんだ。もはやその胸はDカップにまで膨らんでいた。ちょっと触れてみた。
木村「あっ・・・・・って、さっきもやったろっ、これ!」
N :いよいよ空港の建物が見えてきた。もうすぐ、もうすぐ25年ぶりに親友に会える。
木村「25年ぶりかぁ。アイツもちょっとは変わった・・・・って、めちゃくちゃ変わってるじゃねえか、25年ぶりなんて!っていうか、見てもわかんねえよ、おれ!」
N :木村は少々、混乱したが、運転は少しも乱れることもなく、彼の操縦する飛行機は大空高く飛び立っていった。

(飛行機の音)

N :空の旅はANAで。
 

(飛行機の音)

吾郎「あの、大空を飛ぶ飛行機のように」
女性N:男子走り幅跳び決勝。(競技場のざわめきが聞こえる)稲垣吾郎は最後の跳躍にすべてをかけていた。
吾郎「よしっ。(パン、パン、パン、パンと手をたたく)あれ、誰も手拍子してくれない。わ〜。さびしい〜〜。」
稲垣は考えた。手拍子を変えてみることにした。
(ぱぱんがぱん、ぱぱんがぱん)
吾郎「バカか、おれは・・。あ、そうだ!パーララパララ パーララララー(『青いイナズマ』の前奏、後うちの手拍子も)パーララパララ パーララララーラー」

(その声に前奏のコーラスがかぶってくる)

『青いイナズマ』

(一番が終わって間奏のところで、ふたたび吾郎の口じゃみせん)

吾郎「パーララパララ パーララララーラー」
会場アナウンス「稲垣吾郎選手、タイムオーバーです」
吾郎「ばかか、おれは!」
 

剛 「いっけね、時間過ぎちゃう。急がないと、床屋しまっちゃうよ」

剛 「すいません、まだ、いいですか?」
床屋「いいですよ」
剛 「明日、友だちの結婚式があって、だから、後とか、ちょっと揃えるだけでいいんですけど。」
床屋「わかりました。じゃ、こちらへどうぞ」

剛の歩く音

剛 「ああ、よいしょっと」
床屋「(ケープをばさっとやりながら)じゃあ、後だけ刈り上げておきますか?」
剛 「あの、刈り上げだと短くなりすぎませんか?」
床屋「だいじょうぶ、櫛あてて、出てるとこだけだから」
剛 「じゃあ、お願いします。」
床屋「じゃ、ちょっと、頭、前に倒してくださいねぇ」
(チェーンソーの音)
剛 「へっ、あなた、ちょっと、床屋さん???」
床屋「(チェーンソーの音をさせながら)うう〜、うううっ」
剛 「あの、ちょっと!!!今の、バリカンじゃないでしょ??」
床屋「(平然と)バリカンですよ」
剛 「(声がうわづりながら)うそだよ!!だって、今の音!うっ、これ、チェーンソーじゃねえか?」
床屋「うん?バリカン」
剛 「嘘だ!チェーンソーだろ!これ!」
床屋「ばれた?」
剛 「ばれるよ!!それに、あんた、ううううとか言って、こえ〜な〜。いい、もう、バリカン、やめます!」
床屋「ちっ」(舌打ち)
剛 「何、今の?ちょっとちょっと、今、『ちぇっ』って言ったでしょう?
床屋「じゃあ、切り過ぎないように細かく切っていきますねえ。」
剛 「ええ、ほんと、お願いします。」
床屋「じゃあ、ちょっと、頭、前に。はい。」
(トントントントンという音)
剛 「なに、これ?床屋さん?床屋さん?
床屋「まだ、動きやがる〜」
剛 「ちょ、ちょっと・・・」
床屋「は?」
剛 「っていうか、今、包丁使ってたでしょ。まな板で。」
床屋「そんな、いくらなんでも・・・」
剛 「鯵のたたき、お願いします」
床屋「へいっ。鯵のタタキ、一丁!」
(トントントントン)
床屋「じゃ、お髭を・・・」
剛 「(笑いながら)『お髭を』じゃないよ!!まったくぅ、どこにそんなもの、隠してんだよぉ!」
床屋「はははは。じゃあ、お髭剃りますので、頭、後ろに剃らしてください。えいっ。危ないので動かないでくださいねぇ。」
剛 「は、は、は、はい・・・」
床屋「ふぅ・・・・・・(刀で切るような音)えいっ!やーっ!」
剛 「おい!!今、あんた、刀、ふりまわしただろう!!刀、振り回して、ズバッてなんだ!ズバって!!どこ切ったんだ、俺の?」
床屋「(平然と)いや、髭ですけど」
剛 「髭であんな音するわけないだろう!」
床屋「お客さん、毛、硬いから」
剛 「もういいっ、帰る!!」
(ポーンというチャイムの音)
床屋「お客様!」
剛 「なんだよっ!」
床屋「ただ今、シートベルト着用のサインが出ましたので、席をお立ちにならないよう、お願いいたします」
剛 「はっ?なんで床屋さん、そんなスカートはいてんの?」

(飛行機の加速の音)

剛 「なに?なに、これ?えっ!あ〜、飛んでる〜、飛んでる。この店、飛んでるよぉ〜。」

ポーン。
女性N「危険ですので、シートベルト着用のサインが消えるまで、席をお立ちにならないよう、お願いいたします。

慎吾「あの、すいません、お水いただけますか?」
CA「はい、かしこまりました。少々、お待ちくださいませ。」
慎吾「普通じゃん。」
友人「そうだね。山田航空なんていうから心配したけど、キャビンアテンダントの人たちは特に問題、なさそうだ。」
慎吾「でもさ、普通でいいのかな?」
友人「えっ?」
慎吾「山田航空ってみんな知らないじゃん。」
友人「うん」
慎吾「だから、ちょっとでも他と違うとこ作るために、もっと丁寧にっていうか、めちゃくちゃ礼儀正しいとどうだろう?」
友人「う〜〜ん」

慎吾「あの、すいません。お水いただけますか?」
男性CA「おーっす、自分はぁ、お水をぉ、お持ちするでありますぅ」
友人「男はないだろ、男は。」
慎吾「そうか。」
友人「っていうか、いきすぎ。応援団じゃん、それじゃあ」
慎吾「そうか、そうか。あくまで女性のキャビンアテンダントさんだねぇ」
友人「そうそう」

慎吾「あの、すいません」
女性CA「はっ(武士風に)」
慎吾「そ、そんな、やめてくださいよ、正座なんて」
女性CA「もったいないお言葉。恐縮至極にございます。」
慎吾「いや、あの、水が欲しいだけなんですけど」
女性CA「(高い声で)はっ、わたくしとしましたことが気づきませんで。申し訳もございません。」
慎吾「べつに」
女性CA「かくなる上は、この身を持ちましてお詫びをさせていただきます。」
慎吾「ちょ、ちょ、ちょっと、やめてくださいよ!」
女性CA「お留めなさいますな!さらば!」
慎吾「ちょっとぉ、みず〜〜」
友人「だめだよ。」
慎吾「そうだね」
友人「それじゃあ、礼儀正しいっていうより、時代劇じゃん」
慎吾「かたじけないっ」
友人「その言葉、使い方違うと思うけど・・」
慎吾「じゃあさ、もっと進んで、ロボットだったら礼儀正しいよな」
友人「あ、なるほど。今、ロボットの開発もけっこう進んでるからな。」
慎吾「近い将来、出てくるかもしんないよぉ、ロボットキャビンアテンダントさん」

慎吾「あの、すいません。」
ロボットCA「(機械的な声で)な・ん・で・す・か?」
慎吾「やっぱ、いいや」
友人「なんで?いいじゃん、ロボット」
慎吾「おまえ、キャビンアテンダントと合コンって言われていってみたら、相手、ロボットだよ!」
友人「なるほど」
慎吾「ロボットと山手線ゲームやっても絶対負けんじゃん」
友人「そういう問題じゃないと思うけど・・まあ、こういうと、合コンのためみたいですごく失礼だけど、ロボットはちょっとなぁ」
慎吾「っていうか、やっぱり人のぬくもりがないとダメなんだよ。親しみっていうか」
友人「そうだよな」

慎吾「あの、すいません」
CA「なに?」
慎吾「いや、あの、お水もらおうかな、って思って」
CA「あ、水ねぇ。あ〜、取りに行くのめんどくさいから、これ、あげる。」
慎吾「え?」
CA「アタシの飲みかけだけどいいよねぇ、べつに。」
慎吾「ええ?」
CA「それより、どう?最近?」
慎吾「どうって?」
CA「飲みいったりしてんの?みず?」
慎吾「水?水は別に飲みに行ったりとかは・・・」
CA「またまたぁ。香取ちゃ〜〜ん。」
慎吾「香取ちゃんって・・・」
CA「六本木とかいってんでしょ〜〜」
慎吾「水飲みにそんなとこ行きませんよ。」
CA[ほんと〜?や〜よ。他のお店でばっかり水のんでちゃぁ」

友人「うぜ〜よ。」
慎吾「まあな。あんまり親しくされてもな。」
友人「親しくっていうより慣れなれしい。やだよ、そこまでの人は。」
慎吾「かわいげがないとな。」
友人「そうそう、かわいげがないと」
慎吾「犬みたいにな」
友人「犬?」

慎吾「あの、すいません」
犬 「ワン!」
慎吾「お水、いただけますか?
犬 (はあはあしている)
慎吾「あの、水・・」
犬 (はあはあ・・・)
慎吾「みーずー」
犬 (はあはあ・・・)
慎吾「やっぱり犬には無理だわ」
友人「わかってるよ」
慎吾「犬も確かに癒されるけど、笑顔がいいよね。キャビンアテンダントさんたちの」
友人「そうだよねぇ」

慎吾「あの、すいません」
CA「はっはははははははははははははは」
友人「違うだろ、それは。それは笑顔とはいわないだろ」
慎吾「そうか。でも、キャビンアテンダントさんたちの笑顔を見てると、なんだか、こっちまで楽しくなってくるよな」
友人「そうそう、旅の楽しさがますっていうか」

慎吾「あの、すいません」
CA「(出囃子にのって)え〜、毎度、馬鹿馬鹿しい、お客様で〜」
友人「失礼だろ、それは!」
慎吾「そうだよなぁ。っていうか、落語ってのが違うのかもね」
友人「お、まともなこと言うじゃん」

慎吾「あの、すいません」
男女「はい、どうも〜」
女「キャビンアテンダントでーす」
男「パイロットでーす。二人あわせて」
二人「ひこうきず、でーす」
女「あんたは操縦してなさいっ」
二人「どうも、ありがとうございました〜〜〜」

友人「水は?」
慎吾「え?」
友人「水。頼めてないじゃん。」
慎吾「ああっ」
友人「頼みごとできないんじゃ、意味ないじゃん」
慎吾「そういえば、俺が頼んだ水、まだ来ない」
友人「たしかに」
慎吾「だめだな、山田航空」

ANAならだいじょうぶ。お客様のご要望があれば、客室乗務員が迅速に対応いたします。
 

剛 「わあ、すごい。窓の下、一面の雲の海だ。今、どこ飛んでるんだろうね、木村くん」
木村「空じゃん。曲、いって、曲」

『Peace!』
 

中居「(犬が鳴き、雑踏の音がきこえる)んー、飛行機だ。いいなあ、俺もああやって空高く飛んで見たいなぁ」
男 「ワカリマシタ」
中居「あんた誰?」
男 「ワタシノ名前ハ マイク・ハナサン。ボクシングノ モト ヘビーキュウ チャンピョン デス」
中居「いやいや、あの。ボクシング カンケイ ナイデス。ワタシハ ソラ トビタイ デス」
どすんという大きな音。
中居「あ〜〜〜〜〜〜」

女N:そして中居は星になった。そう、夜空のむこうで。

『夜空ノムコウ』

(ピアノBGM)
中居「あなたはあの夜空のむこうに何があると思いますか」
剛 「それともそこは、そんなこと、考えもしない遠いところですか?」
慎吾「確かに、それは遠く、ましてや、自分の力で飛んでいくことなんてできないでしょう」
木村「でも、自分の殻をときはなてば、あなたの心はきっとどこへでも飛んでいける」
吾郎「そう、みんな心に、女優のおばさんをもっているのだから」

慎吾「はぁ?」
木村「女優のおばさん?」
吾郎「まちがえた!『自由の翼』だった」
慎吾「たのむよ、なんだよ!」
剛 「せっかく渋くきめたのに」
吾郎「ごめんなさい。」

中居「あなたはあの夜空のむこうに何があると思いますか」
剛 「それともそこは、そんなこと、考えもしない遠いところですか?」
慎吾「確かに、それは遠く、ましてや、自分の力で飛んでいくことなんてできないでしょう」
木村「でも、自分の殻をときはなてば、あなたの心はきっとどこへでも飛んでいける」
吾郎「そう、みんな心に、自由の翼ををもっているのだから」
 

『freebird』
 

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