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* Reading『椿姫』with 草なぎ剛」〜私があなたを愛するほどに私を愛して *
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「Reading『椿姫』with 草なぎ剛」における、オペラの音楽との関係を整理してみました。ソプラノが歌う部分以外にも、朗読のBGMとして演奏されるピアノも、朗読の内容に合わせて、とても効果的な曲が選択されていて、作品として本当にうまくできています。そのあたりは「CDブック」やパンフを読んでもわからないので、該当する部分の歌詞も書いてみました。

歌詞には著作権がありますが、100年たってるとだいじょうぶ、という話をきいたことがあるような気がしたので、とりあえず載せてみました。問題があれば意訳にしますので、そのあたり、ご存じの方、ご指導ください。
 

■オープニング
 ピアノ:「椿姫」前奏曲
 映像 :パリのサロンをイメージした豪華なカーテンの映像

 ソプラノ『私が愛するほどに私を愛して』

  Amami Alfredo quant'io t'amo .....Addio.
 (私を愛してね、アルフレード 私があなたを愛しているとおなじだけ、(繰り返し)、さようなら)

  (CDブックやパンフは「涙が必要だったのよ・・・」から書いてあるが、歌ったのは上記のところのみ)  

■第1場 2月10日〜18日 
 映像:白い椿
 朗読:トイレの落書きに椿と古田君の出会いのエピソード

 ソプラノ:
  『ああ、そは彼の人か』
  Estrano!...e strano!... in core
  Scolpiti ho quegli accenti!
    〜 中略 〜
  A quell'amor ch'e palpito Dell'universo intero Misterioso altero
  Croce e dlizia al cor

 (不思議だわ ・・・不思議だわ・・・心にあの言葉が刻み込まれてしまった!
     〜中略〜
   あの恋に、神秘的で気高い、宇宙の、全世界の鼓動であるあの恋に、
   胸には苦しみと喜びを感じながら)

 『花から花へ』
   Follie!...follie...delirio vano e questo!...
  (どうかしているわ!・・・どうかしてるわ・・・むなしい妄想だわ!・・・
    〜後略〜)

■第2場 6月4日〜10日

 映像 :大きな温室の映像(パリ郊外のヴィオレッタの別荘のイメージ)
 朗読 :3ヶ月後の椿と古田

・6月6日(初日) 椿と古田君のつきあいの報告、その日、彼の実家に行く

・6月8日(2日目) 古田の実家での出来事の報告。(彼の父との過去の関係、別れるように言われたこと)

  ピアノBGM:第2幕 アルフレードの父ジェルモンとヴィオレッタのデュエットの曲、その時の歌詞は下記の通り。

   「神様は天使のような清らかな娘をさずけてくれました。
    もし、アルフレードが家族のところに戻るのを戻るのを拒むなら
    娘といいなづけの絆は断ち切られてしまうのです。」

   「男というものはたいていは移り気なもの。
    いつの日か時があなたの魅力を失わせ、あきがきたら・・・・
    天から祝福されたものではない今の絆は、
    その時に愛情も慰めももたらさないのですから」

   (「美しく清らかなお嬢さんへ」の前まで)

・6月9日(3日目) 別れの報告

  たぶん ピアノのBGMは
   「あの恋に、神秘的で気高い、宇宙の、全世界の鼓動であるあの恋に、
    胸には苦しみと喜びを感じながら」の部分

・6月10日(4日目)みせつけ、胸の痛みの報告

 ソプラノ:
  『美しく清らかなお嬢さんに』
   (第2幕 ジェルモンがヴィオレッタを説得するのデュエットの部分。歌詞は下記の通り。)

  (ヴィオレッタ独白)
   Cosi alla misera che un di caduta Di piu tisoregere speranza e muta!
   Se pur benefico le indulga Iddio L'uomo implacabile per lei sara.

   「昔、落ち込んだ不幸から抜け出すのぞみは、
    こうして失われてしまったのだわ。
    たとえ、めぐみ深い神様がこの女に寛大でいらっしゃっても、
    この人はけして許してはくださらないわ」

  (ヴィオレッタ、ジェルモンに向かって泣きながら)
   Dite alla giovine della e pra
   Ch'avvi una vittima della sventura
   Cui resta un unico ragio di bene...
   Che a lei il sacrifica e che morra!

    「美しく清らかなお嬢さんにお伝えください。
     ひとりのいけにえの不幸が始まって
     残されたひとすじのしあわせの光を・・・・
     あなたにおささげして、死んでいくのだと!」

  (ジェルモンのかわりにピアノで曲のみ、その部分の歌詞は下記の通り)

   Piangi Piangi o misera... supremo il beggo
   E il sacrifico ch' ora ti chieggo.
   Sento nell'anima gia le tue pene;
   Coragio...e il nobile cor vincera.

   「お泣き、かわいそうなひとよ・・・気高いことです、
    今、あなたに望んでいるものは犠牲なのです。
    あなたの苦しみはもう十分わかっています。
    勇気をお出しなさい・・・・気高いあなたの心は打ち勝つことでしょう」

   以下、かけあい(だいたいパンフどおり)
 

■第3場 9月 椿、外出許可
 映像 :暗い寝室(3幕のヴィオレッタの寝室のイメージ)
 朗読 :その後の椿の発病、入院、古田への思い

 ソプラノ:
 『あなたは約束を守ってくださった』

  (ジェルモンの手紙の朗読から始まる)この部分はパンフと同じ

 
■第4場 12月
 映像 :椿の花(?)
 朗読 :病院を抜け出して見に来た椿、事実を知った古田の思い、応援したい有谷

・12月21日 しこみの日

 <剛 ろうそくに火をつける>

・12月22日 椿と古田君、両方のメッセージ
  ピアノBGM 第3幕 アルフレード、ヴィオレッタの順に下記の歌詞を歌う部分

  「パリを離れて一緒に暮らしていこう。過ぎた悩みは償おう。
   お前の体は、また元気をとりもどすだろう。
   お前は、僕には風のそよぎとも、日の光ともなるだろう。
   未来はほほえんでくれるだろう」(くりかえし)

・12月23日 有谷、古田と一緒に椿をさがす、笹倉からメッセージ
  ピアノBGM 第1幕に出てくるのと同じ曲

   「あの恋に、神秘的で気高い、宇宙の、全世界の鼓動であるあの恋に、
    胸には苦しみと喜びを感じながら」

  ソプラノ:
   『ああ、神様! 私の短い命も終わる』
    (とパンフには書いてあるが、実際に歌ったのはもっと後の曲)

 (ヴィオレッタ)
  Prendi; quest'el'immagine De'miei passati giorni;
  A rammentar ti torni Colei che si t'amo

  「受け取ってください これは私の過ぎ去った日の面影です
   あのようにあなたを愛した女を思い出してください」

 (アルフレード&ジェルモンの部分をピアノで)

 (ヴィオレッタ 椅子にもたれた状態で)
  Se una pudica vergine Degli anni suoi nel fiore
 A te donasse il core...Sposa ti sia ... lo vo'.
 Le porgi questa effigie:
 Dille che dono ell'e Di chi nel ciel tra gli angeli
 Prega per lei per te

 「もし花の盛りのつつましい乙女が、あなたに心をささげたなら・・・
  あなたの妻となるように・・・それを望むの。
   その方にこの絵姿をあげてください、この贈り物は天上で天使たちに囲まれて
   その方のために、あなたのために祈る者からだと。」

 (アンアニーナ、ジェルモン、医師、アルフレードの曲をピアノで)

  <剛、立ち上がる>

 (ヴィオレッタ セリフで)

  「不思議だわ、苦しみの発作がとまったわ!
   いつもとちがった力が、私の体の中にうまれているわ!
   ああ、生きるのよ!ああ、うれしいわ・・」

  ヴィオレッタ、倒れて命がつきる。

  <剛、ろうそくをけして、顔を後ろに> 暗転

■エピローグ 1月15日 剛、立ったまま、朗読ではなくセリフとして日誌をよむ

   暗転

  ソプラノ:
   『乾杯の歌』(パンフどおり)

  カーテンコール
 
 

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